サイトアセスメント(site assessment)は、風車計画サイトの風条件(wind condition)を算定し、風車の設計条件と比較して、その適合性を評価することです。即ち、そこに風車を置いても壊れないかということを評価します。サイトスータビリティアセスメント(site suitability assessment)、サイト適合性評価と言うこともあります。
1. サイトの地形複雑さの評価
まず、サイトの地形複雑さを表す指標を評価します。地形複雑さは、傾斜と地形変化(凸凹の程度)により評価します。
2. サイトアセスメントに必要な風条件
サイトアセスメントは、IEC61400-1:2019により規定されており、以下の風条件が評価に必要となります。
- 再現期間50年のハブ高さにおける10分平均風速(50-year extreme wind)
- 風速の確率分布関数
- 周囲乱流標準偏差、周囲乱流標準偏差の標準偏差
- 再現期間50年の極値周囲乱流標準偏差及び極値周囲乱流標準偏差の標準偏差
- 流れの傾き(inclination angle)
- ウィンドシアー(shear of the vertical wind profile)
- 空気密度
極値周囲乱流標準偏差については、Ed.4から追加されたパラメータになります。上記の風条件は、風車のハブ高さで評価する必要があり、通常、流れモデル(flow model)により推定します。流れモデルは、風況シミュレーション、気流解析と言うこともあります。
3. 風車ウェイクの影響評価
隣接する風車のウェイクの影響を考慮し、周囲乱流強度に、ウェイクによる乱流強度を加えて、有効乱流強度(effective turbulence intensity)を算定します。
4. 構造的な健全性の評価
サイト観測データに基づいて算定された風条件と設計に用いた風条件を比較して評価します。すべてのサイト条件が設計値を超えない場合、風車がサイトに適合しているとみなせます。サイト条件が設計値を超えた場合は、サイト固有条件における荷重計算により、構造的な健全性の評価をする必要があります。
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