様々な乱流の指標があり、わかりづらいと思うので、英語と併せて、定義式を示します。なお、IEC61400-1において、サイト評価(site assessment)をする際は、基本的に乱流強度ではなく、乱流標準偏差が用いられていますが、乱流強度は、乱流標準偏差を風速で割っただけなので、サイト条件としては、どちらでも問題ありません(表現の違いというだけ)。
(1) 有効乱流強度(effective turbulence intensity):風車が運転中に、隣接風車からのウェイクにより生じる乱流と周囲乱流を組合せた乱流強度

(2) 有効乱流標準偏差(effective turbulence standard deviation):風車が運転中に、隣接風車からのウェイクにより生じる乱流と周囲乱流を組合せた乱流標準偏差

(3) 周囲乱流強度(ambient turbulence intensity):気象や地形により生じる乱流強度(風速の乱れの強さ)。90%分位値で評価する(正規分布を仮定)。周囲乱流強度の代表値(representative ambient turbulence intensity)ともいう。以前のエディションの時の定義が、特性値(characteristic value)だったため、下付き添え字はそのままcとなっている。


(4) 周囲乱流標準偏差(ambient turbulence standard deviation):気象や地形により生じる乱流標準偏差(風速の標準偏差)。90%分位値で評価する(正規分布を仮定)。周囲乱流標準偏差の代表値(representative ambient turbulence standard deviation)ともいう。

(5) 極値乱流標準偏差(extreme turbulence standard deviation):風車が運転中の乱流標準偏差の50年再現値。サイト条件は、IFORM法またはピークファクター法を用いて評価する。以下に、ピークファクター法による算出式を示す。

(6) ウェイク中心最大乱流標準偏差(maximum centre-wake turbulence standard deviation):ウェイク中心の最大乱流標準偏差。

(7) ウィンドファーム周囲乱流標準偏差(wind farm ambient turbulence standard deviation):大規模ウィンドファーム効果を考慮した周囲乱流標準偏差。

(8) ウィンドファーム周囲乱流標準偏差の代表値(representative wind farm ambient turbulence standard deviation):大規模ウィンドファーム効果を考慮した周囲乱流標準偏差の代表値。90%分位値で評価する(正規分布を仮定)。



【参考】
- IEC61400-1:2019